1982年頃より京阪神の鉄筋住宅で畳に発生するダニが発見され今までにない被害の大きさで問題になった。
大阪府立公衆衛生研究所の吉田政弘先生により東南アジアから輸入された畳用のわらについてきたツメダニ類のケラカロブシスであることが分かった。このダニはコナダニやヒョウダニやイエダニ等に比べて殺虫剤が効きにくいので畳や寝具類の熱処理が必要なことも分かった。一方では、ヒョウダニ類がアレルギーの原因であることも分かり、今後私達の生活にとってダニ対策が問題になってきている。
ダニの生育には、ダニの餌と温度、湿度が関係している。ダニの餌は室内塵中のカビ類、昆虫の死骸、人体の体毛、フケ、食品の微細片等があり、ダニが室内で餌に困ることはまず考えられない。また、温度、湿度については温度25℃、湿度80%が好適生活条件といわれている。
ヤケヒョウダニは人間の表皮(フケ)を好み、ケナガコナダニは食品の屑、特に乳製品を好むので、乳幼児がいると爆発的に増えることがある。ケナガコナダニが増えると、これを捕食するツメダニ澤が増え、人間の痒みの原因となる。温度の影響からも阪神地区では熱帯夜が続くと爆発的に室内のダニが増え、ダニの相談件数が増えることが確認されている。また、寝具の布団、枕、毛布等に吸い込まれた私達人間の汗や表皮の微細片はもちろん、さらに布団の中の綿の繊維等もダニの餌になるのではないかと考えられている。
現在では小児ぜんそくやアトピーの原因の50%は寝具類の中で生活しているダニやダニの糞が微細片(抗原)になり人間が吸い込み、これが人間の体内に入ると抗体ができ.、次に又、ダニの抗原を吸い込むと抗原、抗体反応(アレルギー)を起こすと考えられている。
日本では春と秋に寝具の入れ替えが行われるが、春に押し入れにしまわれた布団の中のダニ数は秋になって使用する時にはそのなかのダニ数が約10倍に増えている。
これも季節の変わり目にぜんそく等の起る原因と考えられている。
|